映画 / 書籍 / 音楽:槇原敬之 13th アルバム「EXPLOPER」個人的全楽曲レビューと当時の思い出

槇原敬之 13th アルバム「EXPLOPER」個人的全楽曲レビューと当時の思い出
槇原敬之 13th アルバム「EXPLOPER」個人的全楽曲レビューと当時の思い出

2020年10月にデビュー30周年を迎えたシンガーソングライターの槇原敬之。
彼の楽曲を聴き始めて32年。その魅力と当時のパーソナルな思い出と共にまとめていきたい。

槇原敬之のプロフィール

1968年、大阪・高槻市生まれ。電気屋の息子として生まれ、母にせかんでピアノを買ってもらい、幼い頃からピアノに親しむ。

高校生の時にNHK-FMでのラジオ番組「サウンドストリート」「C.M.C」としてデモテープを紹介、パーソナリティーの坂本龍一氏に絶賛される。のちにまとめられた楽曲集が「デモテープ1」としてCD発売された。

その後、「AXIA MUSIC AUDITION ’89」で「NG」がグランプリ & 一万人審査員賞をW受賞。

1990年10月25日シングル「NG」とアルバム「君が笑うとき、君の胸が痛まないように」でデビュー。
従兄弟にはSCANCHI率いるローリー寺西。デビュー曲「NG」のサポートギタリストだった。

ちなみにローリー寺西のアマチュア時代のバンド「すかんち」「スカンチンロールショー」(オリジナル版は1988年が2007年に限定3,000枚で再販された時に、槇原敬之はキーボードとコーラスをこっそりサポートをしていた。

代表作には映画「就職戦前異常なし」のテーマソングである「どんなときも。」やNTT CMソング「遠く遠く」、SMAPに提供した「世界にひとつだけの花」がある。


詞を先に書き、メロティを後からつける手法をとっている。

最初の数枚のアルバムは恋愛テーマが多かったが、次第に作風は変化をとげる。
1999年に覚せい剤所持取締法違反で現行犯逮捕(執行猶予3年)されて以来、作風が激変。
心の葛藤や日常の何気ない気付きから着想をえたライフソングが主流になっている。

デビュー30周年にあたる2020年2月13日、午後4時44分に覚せい剤取締法違反容疑(所持)で警視庁に自宅マンションで逮捕された。(2020年3月、東京地裁は槇原敬之被告(51)に懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。)

今後彼の活動がどうなるか不明だが、知り得る限りで追っていきたい。

槇原敬之 13th アルバム「EXPLORER」の発売当時の思い出

EXPLORER発売後の秋に開かれた「SYMPHONY  ORCHESTRA “cELEBRATION”」のライブ後のオフ会でのちに妻となる女性と出会うwwwwwwwww

2004年の出来事(個人的に興味のあったこと)

◾️新潟県中越地震
◾️拉致被害者の家族帰国
◾️イラクで拘束された日本人が殺害される

槇原敬之 13th アルバム「EXPLOPER」個人的楽曲レビュー

誰の心の中もある幸せの鍵を探求していこうというコンセプトからエクスプローラー(探求者)とアルバムタイトルが名付けられた。

今は亡き東芝EMI(2014年当時)へ移籍後初のアルバム。

12曲中4曲がセルフカバーがあったこと、同時期に全レーベル混在のベスト盤「Completely Recorded」が発売されたこともあってけっこうなヒットになった。

01 優しい歌が歌えない

この当時ギターを覚えたとライブで語っていた槇原氏。
ギターリフとは裏腹に歌詞は重いが5月の新緑に吹く風のように聞き心地は爽やかだ。

似たテーマで小沢健二「暗闇から手を伸ばせ」もあるのでこちらも必聴。

NHK『土曜スタジオパーク』エンディングテーマ。

抱えた苦しみは誰のせいと人をひどく責める的はずれを
何度も何度も繰りかえして苦しみは前より増えるばかり

同じページを捲りすぎた本のように日々はすり切れて
自分の中を見る以外にもう術はなくなってしまってた

これを復帰後の1発目にもってくればよかったのにと思えたが、歌詞がヘビーすぎて時間差で収録か? と思われる。

槇原氏の今後の決意表明ともとれる楽曲。

02 夏は憶えている

ビーチ・ボーイズ風なナンバー。
自らもカバーを出していたりするくらい好きと語っていたこともあって影響を色濃く受けている。

♪夏の草をかき分けながら 川の石をどかしながら 何かを探す子供達に夏は日を長くしてくれる♪

優しさ、大事。
子どもたちを遊ばしておきたいがために日を長くしてくれるという逆説的表現はあまり見かけないが美しくまとめられている。

♪例えどんな場所にいても あんなに楽しかったのは喜ぶ顔を見てたから
僕が忘れていただけで どの年にいた子供の顔も夏は憶えている♪

これは当時わからなかったが、子ども持つとじんわりクル。
15年近くの楽曲だが、思い出したようにハッとするきっかけをつくってくれた。

03 Tag Team

Tag Teamとはプロレスなどでペアを組んだチームのこと。
ひとつ屋根の下に住む、(家族であっても)他人だからゆえイザコザが起きるように神様が仕組んだという妄想からできた楽曲。

♪風に形を変える雲が夕焼けに染まり浮かんでいる
ちぎれてどんな形になっても雲はやっぱり同じ雲で♪

それ以上、それ以下でもない。
それ以上望んでも変わらないから、本質をみなさいといわれてるかのよう。
禅問答な考えだ。

♪分かり合えなくて当たり前なんだ 分かり合えない様なメンバーが揃ってる
テレビや映画で幸せな家族を 描くのは現実があまりにも違うからなんだろう♪

過去の歌詞にもメディアに対する彼の不満などがかかれた楽曲もあったが、当時もよくはおもってなかったのだろう。
これは直球だ。www

04 武士は食わねど高楊枝

爽やか & 元気な楽曲が続いた後にこの順番は確信的なもの感じる。
仕事をなくし、妻も家から出ていった最悪の状況で子どもから大事な事を学ぶ楽曲。

♪子供の替えのパンツがなくなり洗濯さぼったのを後悔した
そのとき気づいた全ては僕の選んだ未来だと
なんでも不景気のせいにしてた心もついでに洗ってしまおう♪

出だし付近でこの歌詞。
「くもりガラスの夏」でもうたっていたが、洗濯機は考え事をするアイテムのようだ。
しかし、ワロエナイ歌詞…。

♪家族を持つということも子供を育てるということも
誰が決めたわけでもなく自分が決めたんだ♪

厳しい状況でも自分なりの幸せを見つける歌なのだが、ここでは決意を感じる。
決意があってこその幸せを感じる脳みそにシフトしていくの大事。

05 Happy Ending

家族をテーマにした楽曲。3発目。
この楽曲を発表した時、親に「恥をさらして」といろいろと小言を言われたらしい 。
それでも歌にしたい気持ちはクリエイター気質か。

♪そして30年経った今日やっと 願いは叶った
家族みんながずっと笑ったまま幸せな今日が今 終わった♪

個人的に平井堅に歌ってもらいたい楽曲。

06 君の名前を呼んだ後に

住友生命CMソング。
CMに出演した松嶋菜々子がPVにも出演している。

アコースティックギターが奏でるAOR的ラブバラード。
遠くにいる恋人のもとへ向かう恋愛的心情をストレートに描いている。

♪紙コップのコーヒーは全くどこで飲んでもこんなにまずいんだろう♪

冒頭、紙コップのコーヒーをディスるがオチも秀逸。
サビの裏声パートが高くて歌いにくい楽曲の一つ。

♪大切なものは遠くにあると勝手に決めつけて僕は今ここにいる
君は世界に一人しかいなくてこれから帰る街にいるのに♪

遠(中)距離恋愛あるある。

♪この指先の温もりを誰かにもわけたいと作られたのなら
紙コップのコーヒーも悪くないと思えた♪

最初おとして、最後あげる。
槇原氏お得意の伏線回収。

PVには槇原氏をかたどった人形も登場していて、グッズにもなった。

07 とりあえず何か食べよう

モータウン調な楽曲ではじまる食べ物ソング。
食は衣・食・住の基本。
槇原氏が過去に「大変おいしゅうございます」というblogをやっていただけあって、生活描写が細かい。

「おいしいものを食べて落ち着こう」なメッセージ。

♪人は自分で思うよりいい加減にできている
腹が減る それだけで怒りっぽくもなるもんだ♪

これはガチでそう。
人間の3大欲求は

  • 睡眠欲
  • 食欲
  • 性欲

なのでお腹はすくと普段とは違った面をみせてしまう。
そこをついた楽曲作りは面白い。

♪人は自分で思うより簡単できてるんだ
腹いっぱいになっただけで笑顔にもなれるんだ♪

♪最後のデザートを食べる頃もっと笑顔になるよ♪

甘党男子がゆえに捉え方を少し変えただけで、これだけ変わってしまう。
ポジティブシンキングの王様だ。

08 ハトマメ ~Say Hello To The World.~

「さんまのSUPERからくりTV」の企画から誕生したユニット「The Students」への提供曲。

ボビー・オロゴン、セイン・カミュらが歌う英語に関したユーモアあふれた楽曲。
ラップもあって、からくりTVで公開されていた。

♪それは鳩の食べるもの そう教えてあげたいのに
何も言えなかったあの日僕は英語を習うと決めた♪

英語を習うきっかけとしては完璧なくだり。

ちなみに英語でいうとこちらw

Those are peas for the birds!

「ハトマメ」ラップ部分

この楽曲にはラップがあり、なにをいってるのかは不明な部分が多い。
ここではラップ部分を紐解いてみた。

Different people from different places
with different skin colors and different faces

with different cultures and different names
But all in all you know we’re all the same

Open your mind just try,it’s not hard

Try to let the words flow,from within your heart

No need for hesitation,you know when this vibration
fills one big nation,there’ll be a celebration!


さまざまな場所からのさまざまな人々
肌の色や顔が違う

異なる文化と異なる名前でしかし、私たちがすべて同じであることを知っているよ心を開いてみて、
難しくないあなたの心の中から、言葉を流してみよう

ためらう必要はない、あなたはこの振動がいつ
一つの大きな国を満たし、お祝いがあります!

♪食べたその味は人情の味がした♪

ここで次のアルバム「LIFE IN DOWNTOWN」の構想の布石が登場。
僕と君の対話から複数形、コミュニティと人間関係の幅が膨らんでいく。

そういえば、コロナ禍でインバウンドがかなりヤバい雰囲気。
この曲が世間にながれることも数年先かもしれない。

09 The Fog

ピアノとギターのメロウな音色が霧の情景を描く。

♪無駄な争いはしないと誓うのに誰かに頼まれた訳じゃなく
二人で暮らそうと決めた場所から君か僕のどちらかがもう何度も飛び出していった♪

生まれも育ちも環境も違う二人が一緒に暮らす苦悩を表したフレーズ。
槇原氏は横浜在住の頃もあってその時の思い出か。

♪あの明るい場所は横浜球場
ナイトゲームの照明が霧を照らし膨らんだ光がまるで着陸した
巨大な宇宙船みたいに見えるから

♪まるで君が何処かずっと遠くにさらわれていくような気がした
霧が晴れていくのと一緒に君を失うなんてやだよ

♪さっきより深くなった霧は見慣れたいつもの景色を消して
賑やかな街の音を奪い僕の知らない世界に変えていく

♪この霧に足止めをされなければ自分に悪い所はないかひとつも
まだ考えようとしない僕が君を傷つけてしまったかもしれない

♪まるで僕がそれに気付く間に君が遠くに行かないように
きっとこんな優しい霧を神様がかけてくれたんだ

横浜球場を舞台に心の乱れを表現するナレーションのように流れる語彙力は圧倒的だ。
隠れた名曲。

深い霧に包まれた街で起こったパニック映画「ミスト」より早い発表なのは意外な驚きでもある。
※原作は1980年発表

10 世界に一つだけの花

No.1よりOnly Oneと歌ってるが、平成で一番売れた説明不要な楽曲。

SMAPへの提供曲。最初アルバム収録だったが、のちにシングルカットされたのちに313.7万枚を販売する大ヒットになった。(2021年8月現在)

一番目の冒頭で「花屋の店先で並んだいろんな花をみていた〜」のくだりで花屋で並んでいる時点でエリート!
選ばれしもの! という指摘に対してきちんと2番目で伏線回収しているのが槇原氏らしい。

11 Boy, I’m Gonna Try So Hard

鈴木雅之へ提供した楽曲。
数ある楽曲提供の中でも最多の3曲。

男性目線からみた子どもへの思いを綴る楽曲だ。

♪君の見えない場所でほとんどを過ごしてるだからこそどこにいても頑張っているよ♪
♪君にあげられる物はそんなにはないけれど正直に生きて得たものだけをあげたい♪

この世のパパソングと断定したい。

過去の楽曲「キミイイトロコ」でも

♪誰かを喜ばせようとして盗んできた花をあげても花がかれるよりも先に愛はかれてしまう♪

と歌っていて、歌いたいテーマは一緒なんだなと感じられる。

♪何もない時だってあるかもしれない 沢山ある時だってあるだろう♪
♪でも僕らはいつだって忘れちゃいけない分かち合える人がいる喜びを♪

正直、帰宅するたびに「おみやげは?」と聞かれるヲレがいる。
全国のパパ、ガンバっ! (棒)

12 僕が一番欲しかったもの

Blueに作曲提供した楽曲「THE GIFT」のセルフカバー。

『ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏』の主題歌として起用されたため、結婚式などでよく使われている。

先日発表された「槇原敬之 シングル曲人気ランキングTOP30!(2021年最新投票)」で「どんなときも。」をおさえて1位となった。

セルフカバーのほか、セイン・カミュによる英語版もあり(上記の歌の歌詞内容は違う)、同じメロディで3つの歌詞が存在する。

僕が拾って君にあげたのはおそらく「提供した楽曲」なんじゃあないかと思う。

♪さっきとても素敵なものを拾って僕は喜んでいた
ふと気が付いて横に目をやると誰かがいるのに気付いた♪


♪その人はさっき僕が拾った素敵なものを今の僕以上に必要としている人だと言う事が分かった♪

♪惜しいような気もしたけど僕はそれをあげる事にした♪

♪きっとまたこの先探していればもっと素敵なものが見つかるだろう
その人は何度もありがとうと嬉しそうに僕に笑ってくれた♪

後半も同じような感じで進むが、槇原氏は最後にこう歌う。

♪僕のあげたものでたくさんの人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の探していたものだとわかった♪

改めて聴くとアルバムタイトル「EXPLORER」のトリにふさわしい楽曲内容となっていた。
アルバムセルフポートレート「2つの願い」の中では

♪きっと僕があげたくて君がほしかったもの♪

と歌っていたが、10年経ち、大人になったのか展開は逆になり伏線回収をしている。

また、この展開は絵本「おおきな木」の内容に似ている。
とてもいいお話の絵本なので是非一読を。

槇原敬之 13th アルバム「EXPLORER」個人的全楽曲レビューのまとめ

「自分のつくった曲で喜んでもらえること」
槇原氏の音楽的探究心が詰まった一枚となった。
セルフカバー「世界で一つだけの花」やタイアップ曲も多く含まれており、ファンのみならずとも楽しめる構成となっている。

※2022年8月現在 個人の感想 記憶違いあり

この記事を書いた人

tiimo

生粋のめんどくさがりやのため、ズボラな家事な無印良品好きなヲッさん。 ストレスフリー生活したいがために整理収納アドバイザー 1級取得。2017年4月より生活提案ブログ更新中。日本ワイン好き。広告デザイナー。ワイフと娘ちゃんの3人家族。