
若かりし頃、読んでいたマンガでよく中華料理が登場していた。
スーパー食いしん坊から中華一番、ラーメン発見伝まで。
ヌーベル・シノワ(新しい中華料理)という言葉も覚えた。
どれもこれもおいしそうで、幼な心に淡い期待を持ち、いつか本格中華を食べてみたい思いが募ってはや数十年。
行きたいけど敷居が高そう…お高いんでしょう? と勝手に気持ちのブロックをつくっていたが、今回、お誘いを受けて食べられる機会をえた。
思い描いていた中華、どんな会だったかの様子をレポートしたい。
甲府「中華 NIGRAT」でのヌーベル・シノワ × 日本ワイン体験の概要

月 日:2025年4月23日(水)
場 所:中華 NIGRAT
参加者:8名
参加費:18,000円(税込)
中華 NIGRATってどんな店?

ヌーベルシノワ(新しい中華)のスタイルを取り入れた、洗練されたコース料理を提供するお店。
店名の由来は、オーナーシェフの故郷・青森の方言で「にっこりと笑う」という意味。
ミシュラン1つ星出身の方のお店でもある。
甲府「中華 NIGRAT」で提供される料理の特徴
医食同源の考え方:健康と美味しさを両立させる料理を提供。
旬の食材:季節感を大切にし、地元の新鮮な食材を使用。
ヌーベルシノワ:伝統的な中華料理に現代的なアレンジを加えたスタイル。
甲府「中華 NIGRAT」で飲んだ日本ワイン
登場した日本ワインは全部で8種類。
ワインバー「オアシス」のセレクトによるもの。
Low Brow Craft / 北海道

はじめて飲んだ。
葡萄品種「旅路」100%のワイン。
無濾過。オレンジ、レモン、トマトなニュアンス。
果実味豊かで、爽やかで高めな酸味が特徴的だった。
北海道出身のDCT吉田美和氏が激推ししているとのこと。
ノスタルジア 2021 Due Punti Vinyard / 北海道

シャルドネとケルナーのブレンド。
白桃やパイナップル、柑橘類の果実風味に、塩味、蜂蜜やほんのりバニラを感じるコクがあり、高めの酸の余韻が特徴。
trois 2022 APIED タケダワイナリー / 山形

APIEDは、自然派ワイン造りを志向し、山形の気候や土壌を活かしたワインを生産。
ソービニヨン・ブラン。
グレープフルーツやライムみたいな爽やかな酸味と、ハーブの香りが特徴。
果実味は高く、微発泡。
Yamano-vin-se kamoshita 2023 Ferme36 / 長野

ピノ・グリとシャルドネのあまりみない組み合わせのブレンド。
ピノ・グリ主体のオレンジワイン。アルコール感は高い。
微発泡、少しタンニン。
熟したオレンジの果実味に加え、アンズや桃の香りも感じられた。
De La Logique 2023 Agri-Coeur 2023 / 山形

山形産デラウェア。紅茶っぽい。
猛暑と陰干しによる濃縮効果により、デラウェアとは感じなかった不思議な味。
余韻には心地よい苦味とミネラル感が残り、飲みごたえを感じた。
ZWEIGELT 2023 YOHAKU YOKA WINERY / 北海道

地域のツヴァイゲルト。
桃の香りに、バニラやスモーキーなニュアンス。
ロゼっぽい。薄いネクター感がエビとマッチしていた。
Montrlot 2021 domaine MONT / 北海道

メルロー。
相馬ファームで栽培されたメルロー100%の赤ワイン。
スミレやバラ、イチゴなどの華やかな香りが感じられ、柔らかいタンニンと豊かな果実味が調和。
枯れた感じが鮑とマッチしていた。
PINOT NOIR 2021 イレンカ・ヴィンヤード/ 北海道

ピノ・ノワール。
ベリー系、紅茶など、華やかな香り。
樽由来の木の枝の感じ。
酸強め、タンニンは控えめ。
果実味はフルーティで、スパイシーなニュアンスもあり。
甲府「中華 NIGRAT」で日本ワインと合わせた料理
季節の食材を使用したおまかせコース。
思い描いていた中華料理と違っていて、全体的に洗練された旬の食材を使ったメニューが登場。
冷たい料理の皿は冷たく、温かい料理の皿は温かくて温度管理もバッチリ。
和の要素もあり、意表をつくメニューばかりだった。
クエとエビのスープ

海老の旨味がたっぷり詰まったスープ。
少し辛みがアクセントになり、ワインの酸味との相性が絶妙だった。
複数の前菜

モチモチの皮の豚肉焼売をはじめ、旬の野菜と海の幸などなど。
どの皿も驚きに満ちていて一口ごとに新しい発見があった。
山うど
新タケノコ
蕗のとう
ゴボウ
黒ニンニクの煮込み
あん肝
クラゲ
ホタルイカ など
黒エビのロンジン茶炒め

香り、形、色、味と中国最高峰のロンジン茶使用。
中国ではポピュラーなメニューのひとつ。
ロゼとの相性が抜群に良かった。
サワラの揚げ物 蕗のとうのソース

パリパリに揚げられたサワラの香ばしい食感とねっとりとし蕗のとうのソースの組み合わせが心地よい。
蒸し鮑と削り金華ハムのソース

ふんわりとした燻香と深い旨味で、柔らかい赤ワインと合わせるとさらに味わいが引き立った。
コゴミがアクセント。
甲州牛のバラ肉のからし煮込みと椎茸

甲州牛の旨味とコクも、日本ワインの果実味でしっかり包まれ、口の中での広がりが印象的。
土鍋で炊いたご飯

お米がたっている表現がピッタリなご飯。
今まで一番美味しい炊き立てのご飯だった。
「お米が立っている」という表現がぴったりで、炊き立ての甘い香りに心がほどける。
自家製黒ゴマ担々麺

辛みは強くなく、うまみが凝縮された感じ。
自家製担々麺は、辛さ控えめで旨味がしっかり。
麺は岡山県の正麺所に作ってもらったパンに使う小麦粉を使用する細麺使用。
そこに坦々麺に合う麺を作ってもらっているとのこと。
小麦の香りと食感が絶品で、コースのラストスパートにふさわしい一皿。
黒蜜と抹茶プリン

抹茶が濃厚。

合わせて出されたジャスミン茶の味わいがスッキリさわやかな最後に相応しい一品。
口の中を洗い流してくれるかのようにサッパリした味わいだった。
甲府「中華 NIGRAT」でのヌーベルシノワ × 日本ワイン体験のまとめ

ワインバー「オアシス」のセレクトによる甲府の「NIGRAT」とのコラボワイン会は、まさにヌーベル・シノワの神髄。
繊細な中華の技法に、地元食材の力強い味わい、そしてそれを包み込むような日本ワインのペアリングが本当に見事だった。
昔ながらのガッツリ中華ではない、いろんな技法をおりまぜたヌーベル・シノワスタイルも気に入った。
繊細な中華の技法に、地元食材の力強い味わい、そしてそれを包み込むような日本ワインのペアリングが本当に見事だった。
※2025年4月現在 個人の感想
甲府「中華 NIGRAT」のインフォメーション

住所:甲府市武田2-4-14
電話:080-7613-9774
web:https://chinese-nigrat.com/