20年前は何をしていただろう?
人生もワインも同様、時を重ねることによって輝きや旨味を増すものだ。
学生だったり、すでに働いていたり、よちよち歩きだったり人それぞれだ。
20年の時を経て、好きなワイナリーのワインを口にできるキッカケがあることはまたとない体験。
ちなみに個人的な出来事としては現在勤めている企業へ転職した直後だった。
BeauPaysage「TSUGANE」のファーストヴィンテージワイン会の概要
日 時:2019年12月7日(土) 18:30~22:30(予定)
場 所:清里オーベルジュ・ドゥ・アンサンブル
会 費:お一人様 17,000円(1泊2食付ワイン代・税込)
参加人数:8名
BeauPaysage「TSUGANE」のファーストヴィンテージワイン会へ参加したきっかけ
きっかけは主催者に関連した広告を製作したことだった。
その話をワイン仲間にしたところ、話題になっていたようで、Facebookでつながりましょうという流れになった。
そこでタイミングよく主催されたワイン会がBeauPaysageのファーストヴィンテージを楽しむ会だった。(ものの15分で満席…)
ほんと奇跡。
BeauPaysage(ボーペイサージュ)ってどんなワイナリー?
まだまだ日本ワインの認知度が高くなかった1990年代。
周りから無理無茶無謀とも言われながら南斜面、 標高800mの山梨県北杜市・津金でワイン造りに精魂つくして創り上げた岡本英史氏のワイナリー。
造っている品種はメルロー、シャルドネが中心。
除草剤、酸化防止剤、殺虫剤不使用、無補糖と限りなくその土地本来の力だけでブドウを栽培・醸造している。
より詳しく知りたい方は故・浅井宇介に心酔した3人の若者を中心に人間関係とワインをとりまく物語「宇助ボーイズ」を手に取ると良い。
BeauPaysageの立ち上げをノンフィクションで赤裸々に書かれた本でもある。
また、映像化されているので興味のある方は是非。
清里高原「オーベルジュ・ドゥ・アンサンブル」でBeauPaysage「TSUGANE」のファーストヴィンテージ(1999)ワイン会の様子
場所は清里高原「オーベルジュ・ドぅ・アンサンブル」。
80年代から続いているオーベルジュ(宿泊施設つきのゆとりあるレストラン。)。
時間を忘れ、自分を取り戻すことができるペンションだ。
2002年より全館禁煙。
残念ながら2020年春に活動を締めてしまった。
会場。トラディショナルなフレンチな雰囲気。
フレンチライクなお皿。直径は26mと大きいもの。
小さい頃、清里高原で遊んでいた記憶が蘇る。
最初に主催者であり会場となったアンサンブルのオーナーの太田正彦氏より説明があった。
BeauPaysageの立ち上げ当初から畑のお手伝い等をされてこられた太田氏。
「TSUGANE」のファーストヴィンテージ(1999)・セカンドヴィンテージ(2000)の2本を味わい、その関連のワインや、その後産まれた同じ北杜市内のワイナリーのワインも味わいながら楽しく過ごしましょうとの参加主旨を話す。
また、醸造責任者である岡本氏にスポットをあてた映画「ウスケボーイズ」まで経験者ならではの苦労話や思い出話に花がさく。以下引用。
北杜市須玉町津金の地にBeauPaysageが立ち上げられてからもう20年の歳月が流れました。初めて開催した「99年4月の苗植え会」の時に、20年後に「成人式」をやってあげたいねという話が出ていましたが、今年はその20周年ということもあり、初期ヴィンテージワイン最後の1本を開けてお祝いをし、記憶に残したいと思います。
私にとってもこれがひとつの区切りとなり、”仕事”として取り扱う最後のBeauPaysage”になることでしょう。まさに成人式、卒業式なのかもしれません。
TSUGANE 1999 / BeauPaysageについて
BeauPaysage初年度のワインは1999年でわずか247本のハーフボトル。
当時は醸造施設がなかったため、醸造はウスケボーイズの同志である小布施ワイナリーに委託。
日本で初の長期熟成を目指したワイン(当時は造ったらすぐ売り出すスタイルが主流だった)。
その想いの通り、まるでへたってなかった。あと5年はいけそう。
果実味を残しつつ、粘性が高いワインだった。色は熟成がすすみ、くすみが見られた。
TSUGANE 2000 / BeauPaysageについて
翌2000年はフルボトルで1,108本の醸造。
予算がなかったとのことで、醸造家自らインクジェットプリンタでラベルを印刷したそう。
垂直飲みをしたからか、1999年と比べると若干青い印象。
流れは一緒でブドウの強さを感じる。
香りは強く、部屋全体がプラムの香りで満たされた。タンニンはさほど感じられず。
コルクの比較写真。
上段短いのが1999で、長いのが2000のもの。
20年という年月のわりにはボロボロにならずにしっかりしていた。すごい!
BeauPaysage「TSUGANE」のファーストヴィンテージワイン会で合わせた料理
Beau Paysageを中心に北杜市で作られたワインに合わせて組み立てられた料理の数々をご紹介。
真鯛とパンチェッタと八ヶ岳野菜
シャトージュン甲州との相性がよかった。
カブのポタージュ
ワンポイントのカラーがかわいい。見た目のまま濃厚。カブの辛味や酸味はなくあま〜い。
バケツでがぶ飲みしたいくらいおいしかった。
ブイヤベース
当日雨が降っていたので、気温も低く肌寒い一日だったが温まる料理に救われた。
ここではBOW! / ドメーヌオヤマダ と合わせた。
近隣にあるパン屋「megane」のパン
清里を代表する超人気パン店「megane」のパン。外側の硬さと内側の柔らかさのギャップがすごい。
会場からも近所だったので翌朝も行こうとしたが、窓越しから見える混雑で断念。
鴨のロースト 赤ワインソース
舌でとろけるほど柔らかかった。付け合わせの野菜はもちろん八ヶ岳界隈の野菜。
チーズとナッツ類
赤ワインにはこれ。料理の量も全体的にちょうどよかったので、別腹におさまる。
これらのメニューと食後のコーヒーでフィニッシュ。
本来ならばデザートのリンゴのタルト / アイスがつくが、すでにお腹いっぱいだったので翌朝に持ち越した。嬉しい配慮。
BeauPaysage以外に飲んだワイン
メインはBeauPaysageだったのでここではリストをサラリと。
思いのほかウスケボーイズのワインも揃って皆ニッコリ。
ウスケボーイズたちのワインも揃った。
参加者がこの日のために持ち込んだワイン(!)もいくつかあったので全部で12種類となった。
【白品種】
シャンパーニュ・アンリオ・ブリュット・ミレジメ 2008 / アンリオ(これだけ海外産)
甲州 2018 / シャトージュン(お店より ブレンドに携わったそう)
城戸オーラムカラーズ ヴェルデレー2018 / KIdoワイナリー
シャルドネ2018 / 信州たかやまワイナリー
BOW! 2017 / ドメーヌオヤマダ
BOW! 2016 / ドメーヌオヤマダ
【赤品種】
マスカットベーリーA2016 / ドメーヌテンゲイジ
メルロー2016 /ドメーヌ・ミエイケノ
椀子メルロー2015 / シャトーメルシャン
オーディネール2015 / 小布施ワイナリー
BeauPaysage「TSUGANE」のファーストヴィンテージワイン会のまとめ
終わりたくない気持ちが続き結局、日付が変わっても会が終わる気配もなく夜が更けた。
おそらく二度と出会えないであろうBeauPaysageのフーストヴィンテージワイン。
飲むことができる場に立ち会えただけでもスーパー幸運と感じる。
ワインを飲むと人生が楽しく感じることができるのが不思議だ。
ラベル裏に記載されている一言を思い出す。
ーグラス一杯のワインで地球は変わりますー
少しでも意識を変えることで、世界は変わる。
美しい風景=BeauPaysage.
おまけ 映画「ウスケボーイズ」のロケ地のブドウ畑
帰りがてら、北杜市津金にある「おいしい学校」へ食材の調達に寄った。
そこにはウスケボーイズのポスターがあり、隣の畑がロケ地との説明があったので眺めてきた。
山々とブドウの枝の調和は美しい風景画のよう。
※2019年12月現在 個人の感想 2020年9月追記