盆地の風景:テオ・ヤンセン展で現代のレオナルド・ダ・ビンチを体感する【山梨県立美術館】

テオ・ヤンセン展の横長看板
テオ・ヤンセン展の横長看板

テオ・ヤンセンが盆地にやってきた!
数年前テレビで紹介されて以来、いつか観たいと思っていた作品だ。
かなり楽しかったのでその様子をおすそ分けしたい。

テオ・ヤンセンってどんなアーティスト?

インタビュー中のテオ・ヤンセン

1948年生まれ。出身はオランダ・スフェベニンゲン。
大学で物理学を学んだのちに新聞コラムをきっかけに風を食べて動く生命体「ストランドビースト」を創り出した。
1990年にストランドビーストの製作を開始。
現代のレオナルド・ダ・ヴィンチと称され、アートとテクノロジーを融合させた作品を発表している。

テオ・ヤンセン展の概要

開催日程:2021年4月24〜6月22日
開催時間:午前9時〜午後5時(入館は午後4時まで)
休 館 日:月曜日(6月21日は開館)
入 館 料:一般 1,000円(税込) / 大学生 500円 / 高校生以下無料

テオ・ヤンセン展は事前予約が必要

新型コロナウイルス感染対策のために30分区切りの予約制。
1回につき50人程度なので、それほどぎゅうぎゅう詰めにならずテオ・ヤンセンの世界を鑑賞・体感できる。
ちなみに撮影可能(三脚・フラッシュの使用は不可)。

テオ・ヤンセン展の展示内容

今まで作られたストランド・ビーストの展示と実際に動かせるエリアに分かれている。
実演タイムもあるので、先にそちらを観てから展示物をゆっくりみるのがオススメなルートだ。

ストランドビーストの動きの秘密

ストランドビーストを動かす仕組み・ホーリーナンバー
ストランドビーストを動かす仕組み・ホーリーナンバー

ホーリーナンバーと名付けられた一定の比を1,500以上の組み合わせから発見。
滞空時間が長く、生き物らしい動きを実現するためにコンピュータでシミュレーションさせた。

上の模型は実際に動かすこともできる。少ない力で楽に動かせた。

テオ・ヤンセン展でのストランドビースト動画

テオ・ヤンセン展でのストランドビースト動画 約2分

実際に動くストランドビーストの様子を見ることができた。
強風を感知すると倒れないためにハンマーで杭を打ち、身体を固定する機能を持つ。

テオ・ヤンセン展でのストランドビースト動画 35秒

アニマリス・オムニア・セグンダ(2018)体長12.0m

アニマリス・オムニア・セグンダ(2018)体長12.0m

アニマリス・オムニア・セグンダの全体図
テオ・ヤンセン展での動くストランドビーストのスケジュール
全8回。時間は15分程度。

動く時間は決められているので注意が必要。

アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ(2013)体長9.0m

山梨県立美術館のアニマリス・プラウデンス・ヴェーラ
アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ

時間に都合で実際には動くとこはみることができなかった。
写真ではわかりづらいが相当大きい。

アニマリス・オルディス(2006)体長4.3m

実際に手で押したり引っ張ったりして動かすことができるストランドビースト。
BMWのCMのために作られた。
こちらはスケジュール関係なしに実際に動かすことができる。
想像以上に軽く、動きもスムーズだ。
高齢者の手押し車といえばイメージしやすいだろう。
蜘蛛みたいに這うように動く。

ストランドビーストの素材

ストランドビーストの素材別に並べられている

ペットボトルや結束バンド、ホームセンターで売られている黄色のプラスチックチューブを使用。

プラスチックチューブのほか、木や金属のユニットの試作品も展示されていた

作る道具も工具をはじめ、ヒートガンや木型でつくる。
生命の終わりを感じたら「化石」と宣言し、次世代に引き継いでいる。

計算に使っていたと思われるATARI(1985)

その他のストランドビーストの制作に関わった展示

テオ・ヤンセンによるストランドビーストのアイディアスケッチ
テオ・ヤンセンによるストランドビーストのアイディアスケッチ
テオ・ヤンセンによるストランドビーストのアイディアスケッチ その2
テオ・ヤンセンによるストランドビーストのアイディアスケッチ その2

テオ・ヤンセンはスケッチはするもののストランドビーストを設計図なしで頭の中だけで創り上げるってのが印象的だった。

テオ・ヤンセン展での他のストランドビーストの展示

全部ではないが、展示されていたストランドビーストを紹介。

アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス(2006)体長7.5m

山梨県立美術館のアニマリス・ペルシピエーレ・プリムス
山梨県立美術館のアニマリス・ペルシピエーレ・プリムス

体の中央部に水を感知するホースが垂れている。
扇型のパーツは圧縮空気を貯めるための予備のペットボトル。重しの役目も果たしている。

アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス(2006)体長15.5m

山梨県立美術家のアニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス

背が高いことを意味するエクセルサス。
高いだけではなく、横にも長い。
現在、足のパーツは「化石」となり、他のビーストに受け継がれている。

アニマリス・ムルス(2017)13.0m

山梨県立美術館のアニマリス・ムルス
山梨県立美術館のアニマリス・ムルス

ホーリーナンバーによる脚とキャタピラ型構造の2種類を合体させたビースト。

アニマリス・アデュラリ(2012)4.0m

山梨県立美術館のアニマリス・アデュラリ
山梨県立美術館のアニマリス・アデュラリ

牛のような形のストランドビースト。
三角部分がグリグリ左右に振る。

アニマリス・ヴェルミキュラス(2001)体長4.0m

山梨県立美術館のアニマリス・ヴェルミキュラス
山梨県立美術館のアニマリス・ヴェルミキュラス

ミミズのような形のストランドビースト。
脚をもたないため、背が低い。
実際には足の先につけられた28本のペットボトルに圧縮空気をいれて、蛇のよう動きをする。

アニマリス・ウミナミ(2017)体長5.0m

山梨県立美術館のアニマリス・ウミナミ

扇状の大きな帆が特徴のストランドビースト。
帆は折りたたむことができ、NASAがこの構造を惑星探索のために活用できないか検討中。

アニマリス・リジデ・プロペランス(1995)体長2.5m

山梨県立美術館のアニマリス・リジデ・プロペランス

高速で横に移動する大きなプロペラのストランドビースト。
プロペラが大きすぎて長く歩行はできなかった。
これを改良して今後のストランドビーストは劇的に進化していった。

アニマリス・ルゴサス・セグンダス(2016)体長3.0m

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プラスチックチューブで使うワイヤーがおおすぎたため、うまく進むことができずにいた。
改良後、波打つ形で前進できるように。

アニマリス・カリブス(2018)体長1.9m

山梨県立美術館のアニマリス・カリブス
山梨県立美術館のアニマリス・カリブス

最小のビースト。100個のユニットと金属のワイヤーを使用。

テオ・ヤンセン展を楽しむランチ

併設しているレストレンで特別メニューが用意されていた。
テオヤンセンの故郷であるオランダ料理がベース。
前菜にニシンの塩漬け料理を中心に7品用意されていた。
ハーフコースで2,500円(税込)。

テオ・ヤンセン展のグッズ販売

風力で歩くミニビースト 約10秒

自分でつくることができるキットが販売されていた。
ミニビースト、二足歩行ロボット、ミニ・リノセロス、ウミナミの4種類あり。
2,200円〜2,800円(税込)
ステイホームにちょうど良さそう。

テオ・ヤンセン展のまとめ

作家は若手の方と思ってたらけっこう年配な方だったのは意外だった。
体験や鑑賞できることもあって、大人も子どもも不思議なその仕組みに夢中だった。
生きているうちに観ておきたい展示のひとつだ。

おまけ

新顔のネコさま

山梨県立美術館のインフォメーション

住  所:山梨県甲府市貢川1-4-27
電話番号:055-228-3322
休 館 日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)

※2021年6月現在 個人の感想

この記事を書いた人

tiimo

生粋のめんどくさがりやのため、ズボラな家事な無印良品好きなヲッさん。 ストレスフリー生活したいがために整理収納アドバイザー 1級取得。2017年4月より生活提案ブログ更新中。日本ワイン好き。広告デザイナー。ワイフと娘ちゃんの3人家族。