それは一通のメールからはじまった。
中を確認してみるとペイザナ中原ワイナリーへの日帰りツアーだった。
万全の対策と共に少人数、かつ単独のワイナリーのみで開かれるというもの。
毎年11月の初旬はワインツーリズムという大人なワイン遠足のイベントが開かれていた。
が、2020年の開催はコロナ禍で叶うことができなくなってしまった。
悲しみで途方にくれていた矢先の出来事だっただけに嬉しい便り。
後先を考えずに反射的に参加ボタンを押していた。
ペイザナ中原ワイナリーってどんなワイナリー?
正式名称はペイザナ農事組合法人中原ワイナリー。
山梨県を拠点に農業を営む生産者がお互いの協業を図るために2011年に設立された農業法人だ。
日本農業の将来を見据え農地を継承・活用し、農業従事者の雇用・育成を目的とし、本事業をささえる重要部門としてワインの生産を継続的におこなう。
ワイナリーとしては「BOW!」、「洗馬」などを輩出しているドメーヌ・オヤマダ、
「jalopy」、「まどぎわ」などのドメーヌ・ポンコツ、
最近立ち上がったドメーヌ・パパプルがある。
いずれも自然派ワインの造り手たち。
その優しい味わいにワインラバーたちに火がつき、現在はなかなか手に入れることができないワインたちだ。
また、ペイザナ中原ワイナリーは観光をクローズしている。
それだけに毎年11月に開かれるワインツーリズムやまなし®︎のイベント時だけ一般公開される時はけっこう大変。
今回開かれたのも関係者各位がかなり尽力してくれたことだろう。
いくつかの時間帯のプランがあったが、数時間には全てソールドアウトになってしまっていた。人気がありすぎるのもちと大変だ。(追加もされたがそれも同日ソールドアウト…)
過去のペイザナ中原ワイナリーに関する記事はこちら↓
ペイザナ中原ワイナリー ワイナリーツアー【2020】の概要
勝沼ぶどう郷駅 集合 13時20分
参加費は3,510円(税込)
*GOTOトラベル事業支援対象
*旅行代金5,400円からGOTOトラベル事業による給付金1,890円を引いた3,510円がお支払い実額。
また、地域共通クーポン1,000円分が付与。
ペイザナ中原ワイナリー」ワイナリーツアー【2020】の参加レポート
駅より少し離れた仮設テントで受付。
すでに何人か到着していた。
1週間前からの体温・体調チェック用紙の提出と当日の体温を測る。
受付を済ませたのちバスに乗り込む。
ソーシャルディスタンスを考慮して24人乗りのバスに12人で使用する。
一人2席分の計算だ。
目的地までの山道をグングンあがる。
車だと10数分の距離。
歩いてもいける距離だが40分かかるため現実的ではない。
ペイザナ中原ワイナリーの外観
ペイザナ中原ワイナリーに到着。今まで気がつかなかったが、手前のタンク室は増築をしていた。
毎年恒例の仮想でお出迎え。
ペイザナの風物詩になってしまった。
ワインを片手に話を伺う。
現在、ペイザナ中原ワイナリーは5人で運営しているとのこと。
県外出身者によるこれからワインをつくりたい人に週末に手伝ってもらっている。
ペイザナ中原ワイナリーの醸造場
意外とこじんまりしていた。
機械類がきちんと綺麗に整頓されていて気持ちがよい。
プレス機
ステンレスタンク
ドメーヌ・オヤマダ BOW! 白と赤の試飲 +
お待ちかねの試飲タイム。
でてきたのは2種類。
BOW! 白2019
シュナン・ブランを中心にいくつかの品種をブレンド。
試飲ができること自体が嬉しいワイン。それほど入手困難な日本ワインの一つだ。
リリース直後からすぐ飲めるようにつくってあるが、数年寝かしたほうがおすすめと言っていた。
うちには2015からあるけど、そこまで引っ張るとどうなんだろう…。
BOW! 赤2019
マスカット・ベーリーAとカベルネ・フランのブレンド。
軽い口当たりと香り。
Linda / ドメーヌ・パパプル おまけに飲ませてもらったワイン
志を同じにペイザナで造られた新しいワイナリーのものをタイミングよくいただけだ。
プチ・マンサン。甘さと香りが強い。微発泡。
パパプルとはフランズ語で「親バカ」という意味。
ワインエチケット(ジャケット)は子どもによるもの。
ペイザナ中原ワイナリーの醸造室
現在ペイザナ中原ワイナリーでは30〜40tを仕込こむことができる。
自分たち以外にも委託醸造しているものを含まれる。
大手と比べるとかなり少ない。
オーク樽を50所有。
樽は5年以上のものを中古品で購入。
樽の効果はあまりない。
これから発売されるワインが樽で熟成されていた。
ペイザナ中原ワイナリーで造るワインの考えと2020年の様子
ここで農作物の現状を教えてもらう。
※以下覚え書き
農業者はお金がない。
お金がないので新樽は高くて買えないとのこと。
機械類は以外と使う時期が限られている。
共同で使って支出をなるべく減らす。
ワイン造りを通じて若者に農業やブドウを伝えていきたい。
ボルドー液は数回。
亜硫酸塩なしのほうが、時間はかかるが全体の味はまとまる。
2020年のブドウの育成は5月からの夏は雨が多かったため、全く良くなかった。
ベト病はそうでもなかったが、晩腐病の影響が大きかった。
今度12月と2021年2月に新しいヴィンテージのワインを出すとのこと。
ペイザナ中原ワイナリーのニワトリ小屋
合計で12羽生息。
それぞれに名前をつけている。トサカで区別がつくんだって!(驚)
ここでニワトリ愛が炸裂。
ニワトリは1、2年毎日卵を産む。しばらくすると数日おきに。
5年たつと産まなくなる。
へぇー×10 今食べている卵は割と若いニワトリのものなんだなぁと知る。
ペイザナ中原ワイナリーのワイン販売
試飲だけでなく、BOW! 白と赤のいずれかを1本のみ買うことができた。
ワイン以外にもバターナッツ、無農薬栽培の野菜・米なども抱き合わせ販売していた。www
自分は運良く買うことができたが、後半のツアーでは売り切れてしまい買うことが叶うことができないひとがいたと後から聞いた。
ペイザナ中原ワイナリーのワイナリーツアーのまとめ
1時間足らずのツアーだったが、参加者全員がいたずらに興奮することなく、のんびりとした雰囲気の中で過ごすことができた。
お気に入りのワイナリーで、醸造家本人から話をきくなんとも贅沢な体験。
産地ならではの企画で、(スケジュール的にだいぶ無理はしたが)改めて参加してよかったと思えたツアーだった。
おまけ:箕面ビール オヤマダベリーズ デラウェアver.
帰宅途中に飲んだビール。
最後もペイザナで締める。
小山田氏の育てたブドウをつかったビールをオーダー。
味わいはワインに近く、だいぶフルーティー。
すぐに酔っ払ってしまった。
※2020年11月現在 個人の感想