甲州ワインを仲間と共にゆっくり楽しむ。
今まで当たり前だった出来事が中止を余儀なくされて早2年経過。
少しだけ状況が変わり、ささやかな催しができる雰囲気に。
コロナ禍でまだまだ油断できないが、甲州ワインの雄「アルガブランカ イセハラ」の垂直飲み会に参加したので、その様子をレポートしたい。
アルガブランカ イセハラについて
ワインの名前にもなっているイセハラは山梨・笛吹市を流れる一級河川である金川の地域内の土地を指す。
水はけ良いこの土地のブドウは地中に根がはり、力強い果実を実らせる。
品種:甲州
選定方式:棚式
産地:山梨県笛吹市御坂金川原字伊勢原
甲州ワインを世界的に評価をあげた樽熟成ワイン。
まるげんワイン会ってなに?
甲府市 市議会議員、神山玄太による山梨県産ワイン会。
ワイン県・山梨に住んでいることや地域資源への理解からワインエキスパートを習得。
ワインの勉強を継続していくモチベーションとして定期的に山梨県産のワイン会を開いている。
アルガブランカ イセハラ/勝沼醸造
垂直飲み(2012〜2020)の概要
日時:2022年6月13日(月) 18:30〜
場所:フォーハーツカフェ
会費:11,000円(税込)
アルガブランカ ブリリヤンテ
本題にはいる前に同ワイナリーの泡をいただく。
アルガの泡。瓶内二次発酵。36カ月熟成。
ライトイエロー。酵母のかわいい香り。(ぬかみそに近い感じ)
アルガブランカ イセハラ/勝沼醸造
垂直飲み ヴィンテージ別(2012〜2020)の感想
収穫年別に順番に飲んでいったのでその感想や気づきを箇条書き的にメモ。
味の感覚は3段階評価 ※個人の指針
アルガブランカ イセハラ2012
ボリューム★★★ タンニン★ 甘み★★★ 酸味★ 果実味★
色はオレンジワイン風。ラズベリーの香り。ブランデー風。ハチミツ。
最初のアタックは甘い。熟成感あり。
アルガブランカ イセハラ2013
ボリューム★★ タンニン★ 甘み★★ 酸味★★ 果実味★★
2012に比べると色は白い。ミネラル感強い。保存に難ありか?
アルガブランカ イセハラ2014
ボリューム★★ タンニン★ 甘み★★ 酸味★★★ 果実味★★
2014より造りを替えたとのこと。さらっとしている。香りが爽やか。樽感あり。畑を半分にした。
この年より価格が変わる。
アルガブランカ イセハラ2015
ボリューム★ タンニン★ 甘み★★ 酸味★★★ 果実味★★
白桃感強い。ここからひとつの完成形となる。
アルガブランカ イセハラ2016
ボリューム★★ タンニン★ 甘み★ 酸味★★★ 果実味★★
樽感がさらに強くなる。ミネラル感も同様。少しチョコレートの香り。
ワインラバーたちがイメージしているイセハラはこのあたりか。
アルガブランカ イセハラ2017
ボリューム★★ タンニン★ 甘み★★ 酸味★★★ 果実味★★
青リンゴの香り。爽やかさが増す。
天皇陛下の即位時の献上品。そのためにワイナリーにも在庫はないとのこと。
アルガブランカ イセハラ2017 マグナム版
あわせてマグナム版もいただく。きれいな熟成感。
わずかに微発砲。味としてはマグナム版のほうが好みだった。
アルガブランカ イセハラ2018
ボリューム★★ タンニン★ 甘み★ 酸味★★ 果実味★
若干2017に比べると酸を高く感じた。
アルガブランカ イセハラ2019
ボリューム★ タンニン★ 甘み★★ 酸味★★ 果実味★★
香りが強くなった。少し苦みあり。
アルガブランカ イセハラ2020
ボリューム★ タンニン★ 甘み★ 酸味★★★ 果実味★★
やはり若い。数年寝かしたほうがよい感じ。和柑橘系。オリが多かった。
アルガブランカ イセハラ/勝沼醸造 垂直飲み(2012〜2020)に合わせた食事
ワインの合わせた食事はフォーハーツカフェの定番メニューが中心にいくつかの新提案も。
食事のテーマはイタリア映画「ゴッドファーザー」よりインスピレーションを得たとのこと。
全体的に味の組み立てをイセハラにチューニングされており、量・質とともにちょうどいい塩梅。
3種の生ハム
ねっとりとした味わいのコッパ、産地違いのプロシュート2種、白黒のオリーブを添えて。
ズッキーニのロースト
夏野菜の定番。無農薬で育てられたスッキーニの素焼き。
チーズとナッツ & クラッカー
フランス・リヨン地方の郷土料理であるセルヴェル・ド・カニュ
ローズマリー、ディルが入っていた。
エビとルッコラ
フレッシュなエビに包まれた無農薬ルッコラ。
ビンテージが変わるあたりに一緒に食べるとほどよい口直しにも。
スナップえんどうと自家製マヨネーズ
ここから味のテクスチャーが変わっていく。
無農薬スナップえんどうに清里の卵でつくった自家製マヨネーズのグラデーション。
ムール貝のリゾット
山梨・富士川町産のゆずを使ったリゾット。
酸味がきいていて甲州とバッチリ。
富士桜ポークのロースト
フルーツとともにオーブンされた肉。
ジンジャーと酸味が効いていて赤と相性がよかった。
イセハラ以外に飲んだ山梨ワイン(赤)
白だけでなく赤も登場。
勝沼にある新田商店によるセレクト。
K21FY_AK/共栄堂
ハーブやシナモンの香り、天草のようなスパイス感。温度があがるとヨーグルトやバター、ナッツの香り。
マセラシオンと醸しとジュース仕込みのMBA。中樽を基本に約1〜2カ月熟成。
イチゴジュースのよう。あずきっぽい。サツマイモ。
日向2019/ドメーヌ・オヤマダ
シラー、ムールヴェードル、タナ他。
自然酵母を使いオーク樽で12カ月、さらに敏内で12カ月熟成。
酸も弱くて飲みやすかった。
キザンセレクション メルロー2008/機山洋酒工業
メルロー85%、プチヴェルド15%、ブラックベリーのアロマとスパイシーでスモーキー。
ブーケの香り。日本ワインじゃないような果実味と厚み。
小枝、チョコレートの香り。アルコール感強い。後味ブランデー。
パルテンツァ エテルノ2021/カンティーナヒロ
ヤマソービニヨン100%使用。45日間日陰干し、木樽発酵。
ステンレスタンクにて 産膜酵母を育成、2次発酵。
30℃のボイラー室と炎天下にて加熱酸化熟成5カ月以上。
ヤマソービニヨン特有の固さをおさえてあり今後の可能性を感じた。
新巻シラー2021/新巻葡萄酒
自社圃場のシラー種100%。ファーストヴィンテージ。
ネイキッドルビー2021/ケアフィットワイナリー
マスカットベーリーA 100%。
酸化防止剤無添加。野生酵母発酵。
※他にも持ち込みが何本かあったがここでは省略
アルガブランカ イセハラ/勝沼醸造 垂直飲み(2012〜2020)のまとめ
長い年月をかけられて準備された今回のワイン会。
話自体は5年以上前からあり、ようやく実現・参加できた。
甲州という軽口な品種で収穫年を追える時代が来たと思うと感銘深い。
ようやく時代が追いついたと確信している。
※2022年7月現在 個人の感想