山梨ではマルイはもちろん、タワーレコードも洒落たパンケーキ屋もない。リアル「ヲラ、東京さ行くだ」の世界。
だが、ブドウの生産量が日本一であり国内トップレベルのワイナリーを持つ県だ。
「出戻り長野メルロ−を仲間内で飲みましょう」
友人がLAで10年以上前に購入したワインをそのまま寝かしておき、帰国とととも里帰りしたワインのお話がでた。
山梨に長く住んでいるとワイン好きの友人も多くでき、こうした嬉しいお誘いがある。
そのときのウキウキ気分な様子をレポート。
シャトーメルシャン「長野メルロー」ってどんな日本ワイン?
写真は裏面。海外での購入の証に英字での追加表記。
シャトーメルシャンによるハイクオリティなワインシリーズのひとつ。
メルシャンの持つ長野県内の自社畑の中で塩尻市の桔梗ヶ原(キキョウガハラ)地区、上田市の椀子(マリコ)、北信地区の3つの穂場から収穫されたメルローをブレンドした日本のワイン。
シャトーメルシャン「長野メルロー2008」のテイスティング感想
色:明るいルビー、ガラスのフチはオレンジ
香:チェリー、ベリー、カラメル、シナモン
樽:オーク樽で約11カ月熟成(新樽60%を使用)
酸味・糖度ともバランスのよい収穫(公式webより引用)
個人的にはこちらの2008年のほうが好み。
シャトーメルシャン「長野メルロー2009」のテイスティング感想
色:ガーネット
香:カシス、ベリー、トースト香
樽:オーク樽で約13カ月熟成
酸が高かったので1週間遅くしての収穫(公式webより引用)
差はわずかだが味わいが違う。同じ収穫場所、同じ製法なのにブドウの出来で味が変わるのが面白い。
年によって違うのは農作物の特徴だ。
もしかしたら、醸造場所でもかわる要素も強いかもしれない。これらのブドウの収穫は長野だが、醸造は山梨・勝沼町だ。
コルクがすこし崩れてしまっていた。(左が2008、右が2009)
2009は還元香もあったが、次第に落ちつき、1時間後には飲み頃に。
グレイスワイン「メルロー2008」のテイスティング感想
今回、長野メルローに合わせて比較したいワインもあったので一緒にテイスティング。
長野と山梨での産地の比較をしてみた。
開けた瞬間に香りがいちばん立っていた。
タンニン強い、粘性あり、余韻長い。
色:ルビー
香:プルーン、黒こしょう、土、ニカワ
勝沼醸造「アルガブランカ ブリリャンテ2016」のテイスティング感想
いきなり赤だとキツいので、メルロを楽しむ前に泡で乾杯。
はちみつ、ジャスミンの香り。辛口。
最初、シャルドネかと思ったら甲州。熟成を重ねると味がシャルドネっぽくなるのは不思議。
タンニン強い、粘性あり、余韻長い
シャトーメルシャン「長野メルロー2009」たちに合わせた食事
通常ワインを飲むときは食事にワインを合わせるのだが、今回はワインが主役。
あえてワインに合う食事をフォーハーツカフェにお願いした。
パテ・ド・カンパーニュ
今日入荷したフレッシュなレバーを使ったもの。
味が濃いめで今回のワインのちょうど合っていた。
フライドポテト ローズマリー添え
いつもはガーリックの素揚げもつくが、ワインのことを考えて今回はなしで。
長野メルロー2009のほうがより合っていた。
和牛の素焼き
和牛を塩、胡椒、醤油で味つけしたシンプルな味つけ。
グレイスだとバッチリ。
苦味が強調されてメルシャンには合わず…
シャトーメルシャン「長野メルロー」ワイン会のまとめ
今回2本揃っているので同じ種類のブドウと畑でつくったワインを収穫年の違いで飲み比べする「垂直飲み」を楽しんだ。
長野メルロー2008と2009はもう生産していない逸品。
しかも持っている方も国内ではもうほとんどいない。
思いがけなく突然にお誘いいただいたワイン会。
プロ資格を持つ方々に囲まれてはいたものの、テクニカルな話題はほとんどなく収穫年の2008と2009の話題一辺倒で楽しいひとときを過ごせた。
何を飲むかではなく、誰と飲むかでワインの味や好みは変わることを再認識した会だった。
※2019年10月現在 個人の感想 アマゾンアフィリエイトのヴィンテージは異なる