日本ワイン:ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼でプライスレスなワイン体験

「ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼」に参加した。勝沼地域限定の単独開催だ。

地域を限定した開催は秋のツーリズムと比べて近年始まったばかりだが、参加者にとっての時期を考えるとこちらのほうがベターなんじゃないか? と思えるほど充実したツーリズムだった。

ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼ってなに?

2008年から山梨・勝沼で始まったワインツーリズムやまなし。
現在時期と地域が増え、いくつかのツーリズムがある。(甲府市、甲斐市、山梨市、笛吹市)
今回は勝沼限定で実施する小さな催し。勝沼単独且つ、新緑の季節での開催は2回目となるだ。

ワインツーリズムの特徴は各ワイナリーを単純に廻るだけでなく、ワインの生産を育む地域を散策し、たくさんのワイン関係者とコミュニケーションを図れる大人の遠足だ。
移動手段はこの日の為に手配した巡回バスまたは徒歩。
バス移動がメインだが、ワイナリーがひしめく地域もあるのでそれらの地域は徒歩が良い。
ワインがつくられる街の空気を肌で感じる事ができる。

ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼の概要

実施日:2019年5月25日(土)
参加費:4,320円(税込)
参加ワイナリー:シャトー勝沼 / 原茂ワイン / マルサン葡萄酒 / シャトレーゼベルフォーレワイナリー勝沼ワイナリー / 盛田甲州ワイナリー / シャトーメルシャン / 東夢 / 大泉葡萄酒 / 蒼龍葡萄酒 / 岩崎醸造 / くらむぼんワイン / フジッコワイナリー / まるき葡萄酒 / 丸藤葡萄酒工業 / イケダワイナリー / 勝沼醸造 / ルミエール / MGVsワイナリー / 中央葡萄酒 / 麻屋葡萄酒 / 大和葡萄酒 / 白百合醸造 / グランポレール勝沼ワイナリー / マンズワイン / 錦城葡萄酒 / シャトージュン / 菱山中央醸造の27社

ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼の特徴

■産地の特徴を肌で感じることができる
ぶどうが造られる土壌・街並み・空気感など全身で感じることができ、歴史、文化まで思いを馳せることができる。

■地域限定
勝沼エリア限定のため、集中して巡ることができる。地域は一緒だが、ワイナリーによるおいしさの違いをより明確に発見することができる。

■ワインの製造工程、ワイナリーの特徴を肌で理解できる
ワイナリーにいる醸造家たちに直接説明を受けたり、ワインに対する考えを話すことも。
また、各ワインに合った食材・マリアージュなどの質問もできる。

■ワインを通じてコミュニケ-ションがとれる
参加者は基本ワインラヴァーばかりなので人格者が多く、初対面でもちょっとした会話が弾む。

■ワインツーリズム参加者限定試飲のワインやイベント開催
無料試飲はもちろんのこと、ワインツーリズム参加者限定の有料試飲が断然おススメ。ボトルで販売されていないレアなワインと出合える。

イベントもこの日だけのワイナリー開催のスペシャルイベント、セッション、休息会場での「今飲むべきワイン会」などがある。

過去の「ワインツーリズムやまなし 初夏の勝沼」の記事はこちら

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼のレポート

思いの他早く到着してしまった。秋にくらべると参加者が少ないので、気持ちはゆったりだ。

勝沼地域だけでも50社以上あるワイナリー。さすがに全部は廻りきれないため、事前に郵送された地図とバス時刻表を使って自分で廻りたいルートを考える。(8~9件程度がベター)もちろん、行き当たりばったりでもOKだ。


地域のボランティアたちによる受付。


今回はリストバンド形式だ。ヲッサンの汚い腕でスマソ。


合わせてテイスティンググラスももらう。グラスホルダーは別売りだった。(税込1,500円)


当日受付があった。今夏から。4,900円(税込)。これなら急な参加でも安心だ。


巡回バス。このバスに乗って各ワイナリーを巡る。各ワイナリーをまわる。右回りと左回りのルートがあり、自分で行きたいワイナリーを探して乗り換えたりする。今回はMAX350人なのでバスもゆったり。毎回坐れることに。(秋だとさながら都内の8時台の通勤電車のよう)

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<シャトージュン 編>


バス出発まで少し時間があったので徒歩で向かう。勝沼ぶどう郷駅から徒歩約10分程度だった。


ファッションメーカー「JUN」のワイナリーとして1979年に誕生。ぶどうは甲州種を中心に、欧州系品種セミヨン、シャルドネなどのほか、カベルネソービニヨンやメルロなども少量ながら栽培。


朝一だったので出された4種類を試飲させてもらう。(無料)

右から
シャトージュン「デラウエア」辛口。
シャトージュン「甲州」
中辛。伝統的な棚仕立て栽培。ステンレスタンクで低温発酵。
シャトージュン「セミヨン」
辛口。勝沼と北杜市の2地域で栽培されたもの。ちょっとクセのある厚みがある。
シャトージュン「シャルドネ」
辛口。勝沼町垣根式栽培100%。樽発酵、熟成は6カ月から8カ月。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<原茂ワイン 編>


次の目的地である原茂ワインまで徒歩で移動。途中でみたぶどうの赤ちゃんが美しい。


ぶどう畑の中にある看板


不耕草の畑。こういった風景が勝沼にはごく普通にある。


到着。2階には「カーサ・ダ・ノーマ」という名のカフェがあり、ワインはもちろん食事ができる。(人気店なので事前予約がベター)


おやすみ中のワンコ。

ハラモワインでは2種類を試飲させてもらう。(無料)


ハラモワイン「原茂 勝沼甲州2017」
遅めの収穫さの勝沼産甲州。穏やかな酸味。


ハラモワイン「ハラモ甲州樽熟成’16」
フレンチオーク樽での熟成。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<マルサン葡萄酒 編>

徒歩でマルサン葡萄酒へ向かう。


いく途中に「旧田中銀行博物館」があった。お金の他に養蚕産業も活発だったことからカイコの貯金通帳があった模様。入館無料だったが、今回は素通り。


マルサン葡萄酒に到着した途端、ワインツーリズム恒例「女将のおつまみ」をほおばる。もちろん自家製。当日の気温も30℃越えだったので嬉しい配慮。塩梅がちょうどよく、これを目当ての参加者もいる。


開催日に発売された巨峰種のワイン。(左から2番目)

巨峰のイメージからだいぶ甘めなのかなと思いきや、スーパードライで喉越し良くサクサク飲めた。色づきのよくなかった果実を醸造したとのこと。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<蒼龍葡萄酒 編>

タイミングよくバスが来たのでバスで宮光園南エリアに向かう。ゆったり座れて快適。


創業1899年。社名の「蒼龍」の由来は、中国の故事にある東西南北の守護神の中で東を守る神様から。


蒼龍葡萄酒「トラディショナルリッチテイスト甲州 2017」
発酵後にすぐにオリ引きをせずにオリとワインをタンクの中で接触させるシュールリー製法で作られている。


蒼龍葡萄酒「プレミアムメルロ & カベルネ 2016」
メルロ主体。カベルネがちょっぴり。苦味があまりなく飲みやすい。

蒼龍から南へ徒歩で移動。


途中案内所のブースがあったので利用。
ここで水分補給と地元のボランティアの方々と情報共有をする。
徒歩での目安があるのが嬉しい。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<くらむぼんワイン 編>

案内所から徒歩で「くらむぼんワイン」へ向かう。


創業大正2年。もともと「山梨ワイン」だったが、宮沢賢治の「やまなし」に由来の「くらむぼん」を屋号に使用。
自然に即した栽培をする自社畑と農家から直接取引にこだわっている。


試飲コーナー。500円(税込)を払うと20種類以上の種類のワインを試飲ができる。もちろんブドウジュースもある。


くらむぼんワイン「スパークリング甲州」 有料試飲 300円(税込)
同ブースで販売していた甲府ぐるめ横丁「OASIS」のサンドイッチを注文すると、ハッッピーセット扱いで100円引きだった。wwww
写真はハッピーセット。山梨県産の野菜を使用したハンバーガー「ハムとチーズのサンドウイッチ」。


利用者はお座敷を使えた。和風の雰囲気で楽しめるのも甲州ワインの醍醐味だ。冬の閑散期には鍋をつつきながら飲み食いしてみたい。


ワインだけでなくお楽しみブースが屋外にあった。JR塩山駅前にある「Salzberg Coffee」のコーヒーと焼き菓子。人気イラストレーター神山奈緒子さんによる似顔絵作成が!!

ザルツベルグの記事はこちら

神山奈緒子さんのweb

番外編:ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<勝沼図書館 編>

くらむぼんワインを後にし、「フジッコワイナリー」へ行くために宮光園南バス停まで戻る途中、「勝沼図書館」に立ち寄る。


勝沼町にある図書館。ワイン関係の書籍が半端なくあった。さすがだ。

幼児向け絵本の「あいうえおうさま」作者のサインが見ることができたのが、個人的にはヒット。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<フジッコワイナリー 編>


創業1964年。「良いワインは良い葡萄から生まれる」を理念に国産ブドウ100%。信頼できる契約農家と自社畑で香り高く日本の食文化にふさわしいワイン造りに取り組んでいる。


試飲ルームから見える眺望。ブドウが目に沁みる。手前のオレンジ色の建物は「まるき葡萄酒」。

ここでは2種類を試飲。


フジッコワイナリー 「フジクレールブラン」
柑橘系の爽やかな香りと飲みやすさで喉を潤すテーブルワイン。


フジッコワイナリー 「マスカットベーリーA樽熟成2017」
フレンチオークの小さな樽で静かに熟成。苦味が少なく柔らかい口当たり。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<まるき葡萄酒 編>


「フジッコワイナリー」 を後にして「まるき葡萄酒」へと徒歩で向かう。約10分。下り坂なのでだいぶ楽だ。リニューアルされた店内。1階は試飲室。2階はソファやテーブルがあった。


2階屋外のテラス。この日勝沼町は30℃超え。湿気はなかったので爽やかだった。


2階室内のラウンジ。居心地がかなり良かった。


「スモークドタクアン」の試食。ブドウの木を含む燻材でじっくりとスモーク。ワインのつまみにぴったり。540円(税込)

ここで「マリアージュ有料テイスティング」を試す。500円(税込)

ワイン3種に、それぞれチーズとパウンドケーキがついた試飲セットだ。かなりお得だった。


左から
まるき葡萄酒「ラフィーユアッサンブラージュ × プレーンチーズ」
まるき葡萄酒「ラフィーユ樽甲州2017 × ハーブチーズ」
まるき葡萄酒「ラフィーユユトレゾワ甲州 × 甲州パウンドケーキ」

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<丸藤葡萄酒工業 編>


さらに下り坂を進み「丸藤葡萄酒工業(ルバイヤートワイン)」に到着。明治23年創業。120年の歴史を持つ。甲州ワイン御三家のひとつ。


創業当初から一貫して辛口ワインを作り続けている。2017年にカイコの家屋だったのをリノベーションした。


丸藤葡萄酒「甲州シュールリー 2017」
発酵終了後、澱と約7カ月接触させたシュールリー製法。香り高く厚みのあるバランスがとれた甲州。


丸藤葡萄酒「マスカットベーリーA樽貯蔵 2017」
山梨県産のMBA100%使用。ベリーの果実感に樽の香りが溶け込んでいる。

ここでつまみ購入。


ルバイヤート風ごぼうの赤ワイン煮。200円(税込)

水を使わずに赤ワインのみで煮たごぼう。思いのほか甘い。「七味を使えし」と甲州弁でアドバイスを受ける。しかも柔らかくてワインがサクサクすすんだ。危険wwwwww


丸藤葡萄酒「ルージュ樽貯蔵2015」
メルローを主体にブラッククイーンなどをブレンド。発酵後オーク樽で熟成。ゆったりとした味わい。

少しお腹も落ち着いたので、ワイナリー内ツアーに参加する。いろいろためになる話を伺う。(無料 約30分)


現役で使っている赤ワイン用の発酵槽。
1週間程度でワインになる。仕込み時には炭酸ガスがでるため、毎日2回撹拌する。


ワイナリーの立地が傾斜地なので、土地を削って段差を利用してつくった天然の地下室。フレンチオーク樽で熟成されているワイン。耐久年数は5年程度。


スパークリングワインの澱を貯める建具。


澱を貯めた後-20℃に凍らせて澱の溜まった部分を取り除く装置。


今も現役の接客室。樽で使われた樫の木でリメイクしている。


ルバイヤート(四行詩)の名付け親である日夏秋之介からの手紙。


過去にはワインを貯蔵していたので壁には酒石でびっしり。


ワインドラマ「神の雫」の舞台にもなったそう


ツアーのラストに見たホウロウ製のタンク。昭和42年のもの。

ワインツーリズムやまなし2019  初夏の勝沼<勝沼醸造 編>


次の目的地「勝沼醸造」へと向かう。ここまでほとんど歩き。最終的には25,000歩歩いた。

途中、ワインタクシーとであう。今回試験的な運用とのこと。行き先が異なっていたために乗らず。


エノマティックシステムによる試飲システム。カードを買い、好きな金額(初期設定は500円)をチャージをしてセルフで注ぐ。品種、注ぐ量で金額が変わる。試飲グラスも提供される。(要返却)。


360℃陳列されたシステムと横一列に並べられたシステムの2台。


勝沼醸造「番匠田2017」
このワインの畑をみながらの試飲は格別だ。


テラスもあったので歩き続けた身体を休める。

また、撮影しなかったが最後の締めくくりとして勝沼醸造「イセハラ2017」も試飲する。

これにて試飲はフィニッシュ。量は少なかったがだいぶ飲んだ。自分の体力の限界と好みの傾向もわかってきたのが収穫だ。


最後に寄ったギャラリー。さまざまなグラスがズラリ。

甲州市近代産業遺産「宮光園」でのスペシャルセッション

06.01.2019追記


一通りのスケジュールが終わり、最後に宮光園でのイベントに参加した。
参加無料。


登壇メンバー
(左から)
くらむぼんワイン野沢氏 / 麻屋葡萄酒 雨宮氏 / 機山洋酒工業
土屋氏 / かつぬま朝市 高安氏 / 一社ワインツーリズム 鶴田氏の5名。

新規参入が増え、日本のワイン業界が盛り上がりを見せている。そんな「いい流れ」ができる前からずっと「家業」として守り、受け継がれてきた地域。それが山梨のワイナリー。こうして盛り上がりを見せるいまだからこそ、「ワイナリー」と「地域」。「ワイナリー」と「産地」をどう捉えているのか? そしていま抱いている想いや危機感など、登壇者だけでなく地域の方、参加者の皆さんと共有するきっかけとなるセッションだった。

短い時間であったが、それぞれのワイナリーのワインを飲みつつ、「甲州ワインを取り巻く過去、現在、未来」を語ってもらった。

ワインツーリズムやまなし2019 初夏の勝沼のまとめ

今回はボッチで参加したが、グループ参加と違ってマイペースでワイナリーをまわることができた。

秋のワインツーリズムに比べると比較的空いているし、過ごしやすい気温なので心おだやかに動き回った。

気になったのが秋に比べると飲食の提供場所が少なかったこと。コンビニも付近にないので次回以降の課題か。

今回もいろんなワインの新発見があり、普段のストレスをデトックスできて一石五鳥くらいの気分だ。

※2019年5月現在 ワインの味わいなどは個人の感想

この記事を書いた人

tiimo

40半ばのヲッサン。
夏は40℃以上、冬は雪と風が舞う盆地での生活をつづります。
地元系グラフィックデザイナー。自称甲州ワインエヴァンジェリスト。
2018年整理収納アドバイザー1級を取得。