日本ワイン:ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘 参加フォトレポート

コロナ禍ではあるが、2021年に引き続き開かれたワインツツーリズムやまなし®︎。
2022年は週によってエリアを変えているため、11月期間中の毎週末はワインツーリズム開催となった。
今回、11月6日(日)に開かれた塩山・牧丘エリアに参加したので時系列でレポートしたい。

ワインツーリズムやまなし®︎ってどんなイベント?

産地をめぐり、地域を楽しむイベント「ワインツーリズムやまなし®︎」。

「どのワイナリーに行こうか?」「どの地域に行ってみようか?」
「どこでご飯を食べようか?」などの予定を事前に自分で計画。
当日は自分で考えた予定をもとに、ブドウとワインの産地を楽しむ大人の遠足だ。

このイベントは、ぶどう農家、ワイナリー、飲食店、商店、朝市、NPO、行政などみんなで力を合わせた産地ならではの試み。

2022年の秋はエリアに分けた分散開催で11月毎週ワインツーリズムが各地で開かれた。

ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘の概要

開催日:2022年11月6日(日)
参加費:7,700円(税込、ガイドマップ・専用バスチケット引換券付)
参加ワイナリー(10社)
甲斐ワイナリー、牛奥第一葡萄酒、奥野田葡萄酒、塩山洋酒醸造、機山洋酒工業、駒園ヴィンヤード、98WINEs、三養醸造、室伏ワイナリー(共栄堂)、Cantina Hiro

2021年に参加した様子はこちら↓(カンティーナヒロ、98WINEsなど)

ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘の受付

ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘 の受付(北口)
ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘 の受付(北口)

JR中央線塩山(えんざん)駅南口にて受付。(北口にも受付あり)
2022年は昨年のようにメールで指定されたいくつかの書類はなかった。
非接触型体温計で体温を測り、郵送で送られたチケットを渡すと、バスに乗ることができるリストバンドを引き換えてもらえる。

遠方からの参加者のために、受付時間内に限り荷物預かりも行っている。

本来ならばバスに乗り込み、各ワイナリーの旅にでるのだが、今回は買いたいワインを先にまとめて買っておきたい友人がいたのでタクシーに乗って山梨ワインの専門店「勝沼ワイナリーマーケット 新田商店」へと向かう。

こんな自由な周り方もワインツーリズムの醍醐味だ。
ちなみに塩山駅からも勝沼ぶどう郷駅からもタクシーで15分(だいたい1,500円くらい)程度。

勝沼ワイナリーマーケット 新田商店

勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の外観
勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の外観

JR中央線塩山駅(勝沼ぶどうぶどう郷駅)よりタクシーで向う。
田舎道を眺めながらおしゃべりしているうちに着いてしまった。

友人がワインを物色している間に、今春に完成した試飲コーナーに。

勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の試飲コーナー

勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の試飲コーナー
勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の試飲コーナー

ここでは山梨ワインの珍しい(生産本数の少ない貴重な)ワインを試飲できるようになっている。
ワインは定期的に変わり、完成直後は勝沼醸造のイセハラの垂直飲みの試飲ができた。

勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の試飲コーナーの試飲用のコイン
勝沼ワイナリーマーケット 新田商店の試飲コーナーの試飲用のコイン
利用の手引き

■ 試飲時間は午前10時から午後4時まで。
■ 利用時間は20分程度。
■ 3種類の試飲で1,000円(税込)。専用コインを購入。試飲専用グラス(400円)の販売もあり。
■ 持ち帰り100ml小瓶(1個100円)もあり。

今回試飲したワインは…
甲州 / 98wines
N / くらむぼんワイン
イセハラ / 勝沼醸造 の3種類。

どれもなかなか飲めない(買えない)甲州種ワインで大満足。
どんな感じのワインかが解ったので、購入する時の参考になった。

そして、ワインラバーで話題の映画「シグナチャー ~日本を世界の銘醸地に~」に登場するワインにため息をつきながら後にする。

奥野田葡萄酒

奥野田ワイナリー外観
奥野田ワイナリー外観

新田商店を後にタクシーで奥野田ワイナリーへと向う。
最近ショップ&テイスティングルームをリニューアルしてなんともオサレな空間に仕上がった。

奥野田葡萄酒のショップ&テイスティングルーム
奥野田葡萄酒のショップ&テイスティングルーム

いろいろ有料試飲できて、お気に入りのワインを見つけることができる。

奥野田葡萄酒のテイスティングルームから眺めるピクチャーウインド
奥野田葡萄酒のテイスティングルームから眺めるピクチャーウインド

ヴィンテージ・ブリュット

奥野田葡萄酒のヴィンテージ・ブリュット
奥野田葡萄酒のヴィンテージ・ブリュット

山梨県産甲州を瓶内二次発酵。
90年収穫の甲州と2020年収穫の甲州をアッサンブラージュ。
きめ細やかな泡と長期熟成させた甲州の果実味の厚みが印象的。
試飲は60mlで600円(税込)

奥野田葡萄酒のミニツアー

しばらくすると醸造家自ら畑・工場・試飲のミニツアーを開いてくれた。
通常はバスの到着時間に合わせて開く模様。
500円(税込)

奥野田葡萄酒の畑
奥野田葡萄酒の畑

最初に畑に案内された。
ワイナリーから一番近い畑「HIYAKE VINYARD」。
トップキュベの畑。
HIYAKEは字名とのこと。日焼けするくらい日差しが長くて強い。
樹齢25年のブドウの木は密集しているのであまり実は取れないが、根が深くはるので造りたいミネラリーなワインの味わいになるとのこと。

地面の雑草からガスがでてブドウに虫が近づきにくい仕組みになっている。
地面の雑草からガスがでてブドウに虫が近づきにくい仕組みになっている。

加えてITを使った温度・湿度管理をしている。富士通製。
データがスマホに定期的に届くので、畑の管理が大分楽になったとの事。

奥野田葡萄酒の蔵
奥野田葡萄酒の蔵

次に蔵へと案内された。
夏は17℃、冬は14℃と安定した気温に保たれている。

奥野田葡萄酒のコミュニティ広場
奥野田葡萄酒のコミュニティ広場

今年リニューアルしてずいぶんと様変わりしてキレイになった。
収穫後のBBQやイベントに使っている。

ここからお待ちかねの試飲タイム。
醸造家自ら説明してくれる貴重なひとときだ。

テイスティングワインは3種類。
それぞれ特徴のある味わいを味わせてくれた。

ハナミズキ・ブラン2021 / 奥野田葡萄酒

ハナミズキ・ブラン2021 / 奥野田葡萄酒
ハナミズキ・ブラン2021 / 奥野田葡萄酒

最初の1杯目はハナミズキ・ブラン。
甲州100%。花の香り。
発酵をともなわないマセラシオン
甲州だけど余韻がある。火を通した料理に合いそう。
実は先にラベルのイラスト(妻制作)が仕上がっていて、イラストイメージに合ったワインに仕上がるよう調整したとのこと。www

スミレ・ルージュ2019 / 奥野田葡萄酒

スミレ・ルージュ2019 / 奥野田葡萄酒
スミレ・ルージュ2019 / 奥野田葡萄酒

2本目はスミレ・ルージュ。
穏やかな熟成感。ほどよいタンニン。
糖度の高く収穫したメルロをスミレやカシスを思わせる華やかな香り。
ゴールドマセラシオンと12ヶ月の熟成。馬刺しやカツオなどの赤肉と合わせるとよい。

ドルチェ2022 / 奥野田葡萄酒

ドルチェ2022 / 奥野田葡萄酒
ドルチェ2022 / 奥野田葡萄酒

最後である3杯目はデザートワインのドルチェ。
ハチミツ的な味わい、青リンゴの香り。
デラウエアの発祥の地で収穫。
夏の太陽をたっぷりと浴びた8月から9月に収穫し、2022年の新酒でもある。

試飲を堪能した後、バスがきたので次の目的地へと向う。

甲斐ワイナリー

甲斐ワイナリーの外観
甲斐ワイナリーの外観

国登録有形文化財である家屋。
家族経営の小さなワイナリーだが、酒造りの歴史は江戸時代までさかぼる。(当時は日本酒)

甲斐ワイナリーにある樫の木
甲斐ワイナリーにある樫の木

家屋の隣には見事な樫の木。

甲斐ワイナリーで販売していた百目柿
甲斐ワイナリーで販売していた百目柿

地元産の百目柿も販売。
売上はお子さんのおこずかいになるそうwwww
1個100円(税込)

甲斐ワイナリーの新酒(白)
甲斐ワイナリーの新酒(白)

もちろん2022年の新酒販売も。
1,650円(税込)
連日値上げが騒がれている中、この価格は驚異。

甲斐ワイナリーでの有料試飲(3種1,000円)

甲斐ワイナリーでの赤品種の有料試飲
甲斐ワイナリーでの赤品種の有料試飲

甲斐ワイナリーでは3種類の赤品種を有料試飲できた。(白品種は無料)
どんな味わいか事前に確かめることができて嬉しい。
1,000円(税込)

キュベかざまバルベーラ2018 / 甲斐ワイナリー

キュベかざまバルベーラ2018 / 甲斐ワイナリー
キュベかざまバルベーラ2018 / 甲斐ワイナリー

チェリー、バニラの香り。
酸を感じながらも柔らかく、タンニンはほとんどない。
難しい品種で一樽しか造れなかった。
来年だせるかどうかは不明とのこと。

キュベかざまファミリーリザーブ2018 / 甲斐ワイナリー

キュベかざまファミリーリザーブ2018 / 甲斐ワイナリー
キュベかざまファミリーリザーブ2018 / 甲斐ワイナリー

274本限定。
メルロー61%とバルベーラ39%をブレンド。
メル炉の果実感が全面にでて、バルベーラの酸味がアクセントとなっていた。

キュベかざまメルロ2020 / 甲斐ワイナリー

キュベかざまメルロ2020 / 甲斐ワイナリー
キュベかざまメルロ2020 / 甲斐ワイナリー

どっしり感があるが、後味は軽い。
小樽での9ヶ月の熟成。
(自分も参加した)丁寧な選果のうえ、醸造。

甲斐ワイナリーの醸造場

甲斐ワイナリーの醸造場
甲斐ワイナリーの醸造場

試飲していると、醸造家自らワイナリーの説明タイムが始まった。
短時間だったが、どれだけ苦労して造っているのか垣間見れた瞬間だった。
(オフレコネタ多し)

お昼に近づいたのでラーメンを食べに平和園に向う。

平和園の記事はこちら↓

室伏ワイナリー(共栄堂)

室伏ワイナリー(共栄堂)の醸造場
室伏ワイナリー(共栄堂)の醸造場

食後、「あなたのテーブルワインはここに」をコンセプトに手に取りやすい自然派ワインで定評のある室伏ワイナリーに。
2021年、新社屋が完成して存分に楽しめるようになった。

室伏ワイナリー(共栄堂)の見学会

室伏ワイナリー(共栄堂)の見学会
室伏ワイナリー(共栄堂)の見学会

バスで着いたら、とたんに見学会が始まった。
醸造家がゆっくりと丁寧に自分の造っているワインについて話してもらった。(約20分間)
特に価値と付加価値のズレはこれから考えていくべきテーマだった。

醸造家の説明が終わると奥にあるタンクからセルフサービスで(どんなワインか不明)飲ませていただいた。

セルフサービスで飲むことができたタンク内のワイン
セルフサービスで飲むことができたタンク内のワイン

飲んだ感じの印象は巨峰みたいだった。

K21DDの3種類と2022年12月発売予定のK22FYシリーズの試飲

3→2→1の順番で試飲。
03は酸があり、スッキリ。02は03より果実味あり。01は一番ボリューミーに感じた。
やはり、造り手のいう通りに飲むといろんな発見がある。

2022年12月発売予定のK22FYの試飲
2022年12月発売予定のK22FYの試飲

2022年12月発売予定のK22FYの試飲もできた。
泡も多くまだまだ酸が高く感じたが、飲める時期になったらまろやかになっていくことだろう。楽しみ。

白を飲んだ後も赤も飲みたくなったので…。
エチケット(ラベル)は共通。

室伏ワイナリー(共栄堂)のフード

いくつかの出店があった。
地元民で人気の寿司屋「豊寿司」をはじめ、醸造長のお気に入り「カフェナナカラ」のお弁当があった。

共栄堂で食べたバケットと鳥塩
共栄堂で食べたバケットと鳥塩

単体だとしょっぱいがワインと合わすとちょうど良い。
ここのワインで煮込んでいる。
赤と合わせてみたが、やはり白のほうが合っていた。

三養醸造

1933年創業のファミリーワイナリー。
「おいしいワインを飲んで楽しく生きよう」がモットー。

三養醸造のタンク
三養醸造の猫ペティアンシリーズ
三養醸造の猫ペティアンシリーズ

ずらりと並んだ猫のエチケットのペティアン。ラベル目当てに買う人もいるという。
かわいらしいエチケットデザインは神戸在住のネコユウコ氏によるもの。

ワンコもいるよ!

三養醸造の4種類のチャリティ試飲コーナー

三養醸造の4種類のチャリティ試飲コーナー
三養醸造の4種類のチャリティ試飲コーナー

入口付近にはいくつかの椅子と試飲コーナーがあった。
試飲売上の一部を保護猫活動へ寄付するとのこと。

mii甲州ペティアン2021

mii甲州ペティアン2021
mii甲州ペティアン2021

甲州のペティアンとしては同社で3番目。
栽培者のmii fruits companyから名づけられた。
亜硫酸塩無添加。
スッキリとした甲州で、軽口。お風呂上がりに飲みたくなる1本だ。

猫甲州2021

三葉醸造の猫甲州2021
三葉醸造の猫甲州2021

山梨市牧丘町と甲州市産の甲州種を使用。
樽がちょうどいい具合で効いていてボリュームを感じた。

駒園ヴィンヤード

駒園ヴィンヤード
駒園ヴィンヤード

バスの時間のタイミングがあわなかったので、駒園ヴィンヤードまで徒歩で向かった。
おもったほど遠くではないが、距離はあったので酔いも覚める。www

駒園ヴィンヤードの有料試飲コーナー
駒園ヴィンヤードの有料試飲コーナー

こちらは有料試飲コーナー。
1杯200円(税込)。

甲州、ブラッククイーン、ピノノワール、メルローと多彩。
2018年以降国際ワインコンクールで毎年金賞受賞する世界に認められたワインを造るブティックワイナリーだ。

駒園ヴィンヤードの無料試飲コーナー
駒園ヴィンヤードの無料試飲コーナー

こちらは無料試飲コーナー。ペティアンに仕上げた甲州やロゼの新酒が楽しめた。
しばらくまったりとした後、徒歩で最後の目的地へと向う。

機山洋酒工業

機山洋酒工業の看板
機山洋酒工業の看板

今回のツーリズム最後の地、機山洋酒工業に。
家族経営のワイナリー。
周囲に山々に囲まれた東山梨市地区で栽培されたブドウのみを使って造られているワイン。
山梨のローカルな地で育まれているスタンダードなワイナリーだ。

試飲コーナーではいくつかの種類を飲むことができた。

機山洋酒工業の試飲コーナー
機山洋酒工業の試飲コーナー

生食できる甲州ブドウも置かれていた。

キザンスパークリングトラディショナルブリュット2020

機山洋酒工業で試飲したキザンスパークリングトラディショナルブリュット2020
機山洋酒工業で試飲したキザンスパークリングトラディショナルブリュット2020

シャンパンと同じ製法である瓶内二次発酵で造りあげた本格的な辛口スパークリングワイン。
スッキリ&飲み心地が軽く果実味の高いワイン。

機山洋酒工業で試飲したキザンアートラベル ブラッククイーン2018

機山洋酒工業で試飲したキザンブラッククイーン2018
機山洋酒工業で試飲したキザンアートラベルブラッククイーン2018

ブラッククイーン100%。個人的にはここのBQが一番美味しいと思う。
なめらかなスパイシー、酸味とタンニンを感じた。
後味は長い余韻。
ラベルのイラストは原健吾「たおやかな天体」より

機山洋酒工業で試飲したキザンアートラベル メルロ2017

機山洋酒工業で試飲したキザンアートラベルメルロ2017
機山洋酒工業で試飲したキザンアートラベルメルロ2017

辛口、イチジクを感じたワイン。
樽感、弱いタンニン、長い余韻。
ラベルのイラストは原健吾「幻影の天幕II 月の章」より

グルペット・メルロー2019

グルペット・メルロー2019
グルペット・メルロー2019

グルペットぶどう園で栽培されたブドウをここで醸造したワインも登場。
標高650m、樹齢15年の垣根の畑。

摘み草のお店 つちころび

摘み草のお店 つちころび
摘み草のお店 つちころび

敷地内には摘み草のお店「つちころび」による野草の入浴剤作りコーナーも。
自分で薬草湯のブレンドを作ることができる。
400円(税込)

また、野草茶(400円 税込)や自家製レーズンも販売していた。(500円 税込)

ワインツーリズムやまなし2022秋・塩山 / 牧丘のまとめ

全てのワインが山梨県産100%のブドウを使ったもの。
何回も回っているが、その度に新しい発見や出会いがある。
いくつか無料、有料の試飲もできて、お気に入りの傾向や味わい、1本が見つけられる大人の遠足だ。

※2022年11月現在 個人の感想

この記事を書いた人

tiimo

生粋のめんどくさがりやのため、ズボラな家事な無印良品好きなヲッさん。 ストレスフリー生活したいがために整理収納アドバイザー 1級取得。2017年4月より生活提案ブログ更新中。日本ワイン好き。広告デザイナー。ワイフと娘ちゃんの3人家族。